スピンオフデート

以前したダブルデートのスピンオフデートをしてきました。

 

そもそも、何を以って「デート」とするかですが、

双方の合意で成り立つのではなく、

思ったもん勝ちというスタイルのデートでした。

毎日パーティーをして過ごすというライフハックにあった、

手帳に書く予定に「パーティー」と足すというテクの亜流です。

打ち合わせパーティーとか、出張パーティーとか。

ですので、二人ででかければデートです。

デートではなく前戯と呼ぶのは上級者向け。

 

で、デートですが、

映画を見に行きました。

「ジャージー・ボーイズ」って知ってますか。

実在したドゥーワップグループのフォーシーズンズをモデルにした伝記ミュージカルがありまして、

それをなんと名将クリント・イーストウッドが監督したものです。

ストーリーを敢えて丸谷才一びいきに向けて説明するならば、

ポップス版の『持ち重りする薔薇の花』です。

 

あんまり楽しみなので予習したんですよ。

フォーシーズンズの曲をプレイリストに入れて、

歌詞を調べながら聴いて、

誰が作詞作曲でプロデューサーは誰で、どこのレコード会社で云々。

同じ曲をエイミー・ワインハウスが歌ってればそちらも入れたりしながら。

嬉々としてやってたんですが、こうやって改めて書くとちょっとどうかと思いますね。

 

期待して行ったんですが諸般の事情で違う映画を見ることに。

『アバウトタイム』でした。

ラブ・アクチュアリー』、『ノッティングヒルの恋人』でお馴染みの監督が撮った最新作です。

どんな筋かと言いますと、

自在にタイム・トラベル(過去に戻る、現在に戻るの2つのみ)の能力を使える主人公の半生です。

能力を使って幸せにもなりますが、

(勿論)タイム・トラベルが万能でないとも知る話。

主題は、一回きりの人生は美しいよね。ってことだと思います。

いや、そういう主題にしないといけないですよね。

自在にタイムトラベルできて幸せになって、

能力者って幸せ!!!で終わってしまっては観客が(そうだ、あんな能力があれば)と思うだけで人生を主体的に生きない、というのは言い過ぎにしても、

少なくとも、ただのおもろかったなーというだけの話で終わらせるわけがないので、

だって、能力者が幸せってだけじゃあ、あんまりじゃないか。

恵まれた人間は恵まれてるってことだけじゃ、文字どおり話にならない。

人生幸朗にぼやかれてしまう。

だからこそ、タイムトラベル能力を持って幸せになったことで初めて、人生の一回性の美しさを賛美しなくてはならないわけですよ。

というわけで、物語の序盤で設定の説明があって、雰囲気もホラーとかドタバタじゃないと分かれば、映画の落とし所は、能力者であるからこそわかる人生の素晴らしさになるわけです。

となると、見どころはどうやってそこに落としこむかです。

 

しかしながら、主人公はあんまりその能力を使わないんですね。

能力者であるからではなしに(少なくとも映画内では能力との関係を描かれずに)弁護士になり、しかも仕事ができちゃいます。

さらにはその能力を使っていい思いをできるところで使わないという誠実さも持ち合わせている!

そういうふうに、主人公がそもそも「いいやつ」であることを全面に出し、

能力の使用を最小限に抑えることで、主題が説得的になるようにしたんだと思います。

いくら能力を使ったところで、嫌なやつなら友達ができたり結婚できたり、父親と言い関係を築けたりしませんからね(自戒)。

それを裏付けるかのように、タイムトラベルをしたところで全ては解決するわけではなく、

主人公はガンガン行動していきます。ナンパもするし、ナンパに断られても再チャレンジします。偉い。

 

そう、ほんとにいい奴なんです。

弁護士で、ユーモアがあって、誠実で、優しくて、行動力があって、家族思いで、ちゃんとスケベで、奥さんを愛してて、

そんな人がタイムトラベル能力を持ってるんだから、そらうまくいくし、

そんな人なら別にタイムトラベルいらんやろとさえ思えてくるのを、

映画ではザさえない青年風に仕立てあげることで、スーパーマンさを覆い隠してます。

日本の俳優だと柄本明クドカンみたいなひょろひょろなんですよ。

決して二枚目ではない、おどおどして普通っぽく見える青年。

それがまあ、こと恋に関しては張り切る張り切る。

能力を、見てる分には面白おかしく使うもんだから、笑って許せちゃう。

 

そうそう、かなり笑えるところが多かったです。

やっぱりギャグライターを使ってギャグを書かせたんでしょうね。

ギャグではないんでしょうが、

銀座とかで見るような洋食屋の前にあるコックの置物が映画に出てきてびっくりしました。

あれって日本オリジナルじゃないのかしら。それとも輸出されてるのかしら。

 

めちゃくちゃおもしろかったんですが、

大体が『恋はデジャ・ブ』ですよね。『時をかける少女』版の『恋はデジャ・ブ』。

大きな違いは、タイムパラドックスと肉親の死です。

落とし所はだいたい同じですが。

 

そんな素敵な、人生を肯定する映画を見た後で書きたいのは、

愚痴です。

愚痴しか書いてませんが!

映画で、交通事故のシーンがあるんですね。

そこを見て、この人が入院するんじゃなくて代わってやりたいな、と思いました。

 

デート(自称)の相手とは会って話すのは約二回目なのですが、

まあ話が弾まんよね。

「あ!これ、次につながらないやつだ!」と頭上に電球が点く。

弾まぬこと泥団子の如し。

気の重さはかなりのものですよ。

どうやったら会話って弾むんですかね。

『アバウトタイム』では、主人公とヒロインはハナっから弾けるように会話してた。

ウィットの効いた会話をしてました。

閲読係をしているというヒロインに対し、

やっぱりメニューなんかもお金貰わないと読みたくない?売春婦って仕事じゃないセックスってするのかね、と言い、

「じゃあ、東欧かタイにでも行ってみれば」と返事。

あったその日からカップルになっちゃう人は相性がちゃいまんなあ。

相性もあろうが、

やっぱ私がつまんねえってことだろうなあ。と反省してググりました。ざーっと読んだ中で、これじゃないかと思い当たったのは。1:自分に自信がない2:自分が喋りたいことを聞く(共通点を探す)3:質問の答えに興味が無い4:ネタを用意していないなんかもう、これはダメですね。こうして挙げると一目瞭然。そら続かんわ。これをやられたらげんなりするだろうなあ。これは反省だ。1:自信がないこの解決はもう、就職するしかないんじゃないかな。と思ったけども、働いてる時も自信あったわけじゃなかった。基本的に、話すことに苦手意識がある。わいわいがやがや喋ってる時はいいんだけど、一対一とかで、面白かったこと興味のあることを話したときの(退屈の国から退屈を広めに来たのかこいつは)と言わんばかりの能面ぶりはたじろぎます。反射神経的にお調子者をするのはできても、始めがあって真ん中があっておしまいがあるタイプの聞かせる話はもう苦手。義眼みたいな目を見ただけで「忘れた」と言う義務感に襲われます。この話を面白く聞く人がいるわけがない、とはなっから思って話すもんですから、途中で止す準備はできてます。2:自分が喋りたいことを聞く(共通点を探す)これは、聞き上手でいろとか、相手7:自分3くらいの割合で話したなと思うのがちょうどいいとかいう定番の実践の「つもり」で、休みの日何してるんですかとか、好きな嫌いな食べ物は?とか映画マイベストは?とか好きな漫画は?とか旅行どっか行きましたかとか、そんなことを聞いてたんですよ。喋らせよう、喋らせようと。ところが、3:質問の答えに興味が無い聞いといて失礼だよなあ。反省。そんなこんなで、次につながらないであろう経験を糧に次はもっとよく失敗します。