ハタ
田舎に帰ってました。
暇ができたので、思い立ったが吉日といきなり。
いつもは18切符で帰るんですが今回は新幹線で(18切符がないから)。
早いもんですね。
楽しかったかというと、それなりに。
帰省する前に友達に会って話してたら、
意外な趣味が共通してました。
大学院の友達で、一月に一往復くらいのペースで手紙を書いて、半年に1回くらい遊んでます。
書いてみるとけっこう頻繁。
気が合うというかウマが合うんでしょう。
と思って何となく話してたら、好きな本が一緒でした。
ウレシー
読んだ本の話とか、同級生の近況、最近見た映画あたりがいつもの話題トラックで、
前にも言ったはずなんだけど、と前置きされて(私がよく忘れて質問する)同じコースを辿ったりするんだけど、
今回は『カラマーゾフの兄弟』が面白いって話から、
カラマーゾフの兄弟が大好きで現実世界に侵入してきちゃう人が主人公の漫画があるって言われて、
クレイジーだなあと思ってたら『黄色い本』でした。
違う本だよ!というのと、好きな本だよ!というのといっぺんに言いたい幸せな瞬間でした。
そこから高野文子いいよねって。
高野文子いいんです。
お互いに(るきさんになりたい)って思ってたらしい。
そんな人だったんだね!と印象変わって楽しい。
嬉しかったです。
帰る途中に、ここじゃ死にたくないなと思ってしまって、
でも着いたらいいかなと思えるようになるかと
で、帰省してずっと寝てました。
仕事のクレームやら、フラれるやら、母が自殺を仄めかすやら
散々な夢でした。
母が自殺を仄めかすのはかなりきつかったです。
ああ、家族が自殺すると苦しいんだなってリアルに感じちゃって、
自分が死にたいのに、悪くて悪くて。
そのわりに死にたいんですけどね。
いなくなりたい。
田舎は夜が長いです。
東京に戻ってきてから夜の度合いの違いにびっくりしました。
家族は早々に眠ってしまって、夜10時にはもう真夜中。
仕事帰りか休日終わりのやさぐれた都会の夜とは違って夜が存在感を持っていて、
夜と一緒にいるような、空間的な連帯感のような、無時間的な夜に取り込まれていくような気持ちになります。
そんな孤独を経験した後で祖父母と朝食を食べながらニュースで美人女子アナを見た時の、敗北感、世界から取り残された感、絶望感といったらないです。
空間的な距離と心象的な距離が意識させられて、恐怖です。
ここがリンボなんだなと駆け出したくなります。
走ったところで死にたいだけなのにもかかわらず。
現実逃避がしたいだけなんですかね。
『ガラスの靴』の主人公みたいに。
休みの時間は限られてるし、どこまで行っても現実なのにね。
解決するのに死ぬしか答えがないのも呆れるけど、
自分からできるのは本を読むか映画を見ることくらい。
それが寝るだけ。
新しく入った若いかわいこちゃんが友達いないという暇人でした。
することないから休日は掃除ばっかしてると言ってて、
同志意識を持つと同時に惨めにもなりました。
見下せるような人にしか仲間意識を持てないなんて嫌な性分ですね。
でも大丈夫、可愛いからナンパされるなり合コンいくなりしてすぐにあがりだよ安心せい。
大人になったら傷つかなくなるのは、「そういうものだ」と「それがどうした」というマジックワードを唱えられてそれが現実化できるから、
要するに傷つくことに慣れるから、と村上春樹は書いてますが、
まだ慣れなくて依然つらいです。
どうしたものか。
嫌になりますね。
参った。
すぐ死にたいとか言っちゃうし、かと言って家族に悪くて死ねないしで、
(死ねるから)という気休めもない。
もう積極的にいくしかないのか。
でも何して。
この前に楽しみに行ったとき、落語は殆どがつまらなかったです。
当たり外れが大きい。
感動は少ない。
家で酒でもかっくらってるのが一番楽しくて良いのかもしれない。
ぼーっとしてろくに考えられなくて、眠くなって
そしてアル中へ。
死にたい死にたいと言ってても、
帰省途中には死にたくないと思いました。
道半ばでは死にたくないのだなと気づくと同時に、
そうか今は軌道から外れてどこに行くべきか分からないからどうでも良くなってるんですね。
途方に暮れるというやつ。
lostというやつ。
迷子というと目的はあるのに、という含意がある気がして違う。
目的が無いんです。
どうしたいかとかがわからないし、どうすべきかも無い。
具体的で短期的な希望とか楽しみもないし、
自分で何とかするもんだ。
幸せになれないだろうなと思って、ピアノでも買って練習します。
どんどんインドアに、どんどん人と接触しない方向に楽しみを増やして、
そんなだから死にたいとか言うんだろ。
と、簡単な結論にいきがち。
伊奈かっぺいのように、日記を書く趣味にしようか。
本を読んでたら「自分で始末をしなければならない人生に直面した」という一節に出会って、
確かに!とハタと膝を打ったのでありました。