カラオケのビデオと映画の間
『聖家族〜大和路』を見ました。
エレ片の映画です。
原作は読んでないんですが、ググッたところ、
殆ど『聖家族』の映画化で、舞台として『大和路』をところどころ持ってきていると思われます。
小説『聖家族』の舞台は長野県です。
あらすじ
画家のヘンリー(片桐)は師匠である九鬼の死にショックを受けて絵が描けなくなる。
九鬼の夫人と娘に会うが、癒えることはない。
友人(エレキコミック)に誘われたバーで踊る女(末永遥)と出会い、デートをすることでヘンリーは恢復し、再び絵を描く。題材は勿論、奈良のお寺。
世界中でこの映画を見る人の100%がエレ片ファンではないでしょうか。
それ以外は誤差の範囲内だと思います。
私もエレ片で紹介されてたために見ました。
衝撃を受けました。
映画と言うよりは、カラオケのイメージ映像に近いです。
先ず絵面というかトーンというか、映画のそれでないことが分かりますが、残念なことにそれを的確に語る用語を知らないのでどこがどうとは言えません。しかし、これは映画の映像ではありません。
いったいどうしたらこのような映像になるんでしょうか。
音声もめちゃくちゃです。音が割れたり、急に音が小さくなったり大きくなったりします。別に録音した音声が被せられたときにはアフレコであることがはっきりと聞き取れるようになっています。
これより映画らしい作品を作ることは学生にも容易でしょう。
久しぶりに雑なものを見ました。
芸大のビートたけしが教授してるところの修了展での上映会を見たことがありますが、そちらのほうがまだ少し上でした。やはりそちらも今ひとつ映画ではなく、カラオケの映像のようでした。一瞬だけ美しいシーンがありましたが、あとは(これが芸大?)と唸ってしまうものでした。
撮影に使われたビデオカメラの質によるものなんでしょうか。予算が少なく、金が掛かっていないためにそれなりの結果になったという理解で間違っていないかと思います。
それにしても、工夫のしようはあったと思うんですけどね。画面が暗いとか、日が照ってるので影が濃くなり、何故か役者の顔を影に沈ませて見えなくしてるとかもあったりしました。テスト用の映像にしてもひどい。
この映画を見た後に他の映画を見ると、まともに撮ってあることにずっと感動してられそうです。当たり前に映画として作ってあることって凄いなあって。平和のありがたみみたいな。映画ばかり観るのではなく、映画と呼べないものを観ることも大事なんですね。
役者の存在感ということもあると思います。片桐仁のあれを見た後での『東京オアシス』の加瀬亮のガリガリ君を食べるシーンや小林聡美の美しさは驚くべきものです。
なんなんだろか。