ダサいタイトルだし

『恋はデジャブ』を見ました。

となりのサインフェルド』のヒロインが出てるラブコメですが、

宗教的な解釈がされることもあってかインテリにも人気のハリウッド映画です。

 

いけすかないテレビの気象キャスターが田舎の気象イベントの中継に行くと、

何故か2月2日をくり返すことになってしまう。

はじめは気味悪がるけども、せっかくだからとナンパや犯罪をし、今度は同行スタッフのプロデューサーであるリタを口説くが、

こちらは何度挑戦しても失敗する。

フラれ続きでうんざりして自殺を遂げるのだが何度死んでも2月2日に戻ってしまう。

ゲッソリしたままリタに全てを打ち明け、

更には自分の好意までも口にしてしまったことで、

ポジティブな積極性を持って2月2日を生きるようになり、

勉学やピアノのレッスン、人命救助を行う。

それが積もって(?)とうとう、ある2月2日にリタの方から好意を寄せてきて、

2月3日を迎えるハッピーエンド。

というあらすじ。

 

『レンタネコ』という映画の主人公の目標は結婚することで、

そこには多大な共感をしてしまった私は、

政治学者が贈る「幸せな人生を送るための5つのルール」

というネットの翻訳記事でこの映画を知りました。

記事にははやく結婚しろとかそういうことが書いてあります。

そのなかで『恋はデジャブ』を繰り返しみるといいよと書いてあって、

お題目を唱えれば極楽に行けるとか(宗旨がごっちゃになってるかも)、

そんなうまいことはないけども、

ダサいタイトルだし見てみようかなと思ったのでした。

 

結論:なかなかよかったです。

あまりに教訓的すぎる気もしますが、

成長ものということでひとつ。

他の女性は簡単に口説けるのに、リタは口説き落とせないというのが良かった。

といっても、口説き落としたと映画で明示されるのはナンシーだけなんですけどね。

リタはたまに藤山寛美、じゃなくて吉高由里子に見えます。

吉高由里子だと思いねえ。

 

途中、自殺するシーンが続いたけれど、

世にも奇妙な物語』でウッチャンが主演のこんな話があったような気がする。

同じ日を繰り返す人がいて、その人が自殺をするので真似して死ぬんだけど、

たしか時間が0時でリセットになる設定で、たまたま23時59分に飛び降りて、

「うう…」とか言ってるときに0時を跨いじゃって、また繰り返すというオチだったと思う。

あと、『涼宮ハルヒ』でも「エンドレスエイト」っていう回で何度も繰り返してたと思うけど、

そっちは途中で観るのをよしたのでオチが気になる。

っても、抜け出せないわけがないんだけど。

 

町山智浩ポッドキャストでもこの映画の解説があって、

そこでは監督のコメンタリーを使って説明してて、

裏設定が知れた。

映画自体に説明が少なくて、

例えば「そうだなあ、こんな日が毎日続くのなら、読みたかったあの本や、ずっと習いたかったピアノを習ってみようかな」なんて独り言が台詞で入りそうなものの、

それが無いもんで、

町山智浩の解説をきいて、そーゆーことだったのねと納得が行くこともあった。

でも逆に、見た直後だと(え、そこはちがくね)と思うこともいくつかあった。

まるで柄谷行人が明暗を論じて云々。

 

映画のラストでリタがパーティーでゾッコン惚れるわけだけど、

前日まで嫌味なクソッタレだった男が一転していいやつになってるなんて、

ちょっと理解しがたいだろうなと思ったけども、

そんなところも超えて許容しちゃう懐の深さにビル・マーレーは惚れたっつうことですかね。