迂路遠路

大瀧詠一writing & talikng』を買ってまだ読んでないんですが、

うちにあるナイアガラ関連の本と重複を見たり、

特集記事をパラパラとめくったりしてて、

いい記事を見つけました。

大瀧詠一がどんな人か、というやつ。

大瀧詠一がどんな人かと聞かれて山下達郎は「三日三晩かけて説明しても、そんな人はいない、と言われるような人ってわかってるから説明しない」と答えたというのは有名な話。

その一端を萩原健太が書いてました。

古地図を調べてるのはどうしてかと尋ねると大滝の答えが2時間で、まず「松井のホームラン見た?」から始まったという。

松井のホームランを見た観客の囃し方を日本で言うなら寄席とか義太夫とかの「待ってました!」だよなと思ったので江戸文化研究を初めて作品はあらかた読んだから今度は地形の研究をしてる、ともとの質問の答えに至る説明を2時間かけて豊富に例を挙げてしてたんですと。

良い。

これだよこれ。

こーゆーとこが好きなんだ大瀧さん。

枕の長さですよ。

迂路遠路、ロング・アンド・ワインディング・ロード。

ファンだなあとしみじみしちゃう。

 

ライティングアンドトーキングは、企画としては素晴らしいけれど、

本として美しくない。

欲しくならない紙質というか、モノがやすっぽくないですか。

中身は変わらないんだけどいい紙で読みたかったよ。

手元に置いておきたくなる感じがない。

渋々手に取るモノ。

本としての美しさ、本好きの欲求を満たしてない気がする。

あのチープさは狙ったのかしら。

まさかあれが故人の遺志ではないと思いたい。

それとも、ちゃんとした本で全集を出すための、布石なんですかね。

これ一冊あればいいやと思わせないための作為的なチープなんですかね。『ポータブルフォークナー』的な。

その際にはポップス伝関連の巻は解説を充実させてほしい。

ゴーゴーナイアガラの時点で既に日本ポップス伝でかけてる曲、エノケンとか二村定一とかは出てるわけで、

じゃあポップス伝は何だったのかってのを、他のラジオ特集との関係も踏まえて書いて頂きたい。

ひばり島珍道中とか、トニー谷特集とかね。

 

あと気になるのはビートルズの扱い。

中学生のときと、社会人として船橋ヘルスセンターでの宴会で歌ったというビートルズ

あんまり正面から扱ってない気がするんですよ。

どんな曲をカバーしてたかって形でしか取り上げてないんじゃないすかね。

ピーター・バラカンとのラジオではどう扱ってたのかしら。

アメリカンポップス伝のあとはブリティッシュポップス伝で、ビートルズまでだったんでしたっけ?

 

音楽作品では残したけれど、主著らしいものは残さなかったという点でも南方熊楠みたいだよね。