「惚れた腫れただなんて前世紀の遺物だよまったく」とか言われたい。
『2001年宇宙の旅』を見ました。
最初のほうは飽きて寝てた。
まさかのゴダールタイム突入。
後半は起きてられました。
黒い板のせいで人類に進化した猿がいて、
月から宇宙ステーションに来た人がいて、
(ねてた)
HALっていうコンピューターに乗組員が殺されます。
全滅にならず、デイヴがHALのメモリを抜いて、
(よくわからない)
ギュイーンと移動すると(ドラえもんのタイムトラベルみたいなシーン)、
ロココっぽい部屋に着いて、
デイヴは年取ってベッドで死ぬ。
そのベッドの前には黒い板が!
そして地球サイズのでっかい胎児になって終わり。
何がすごいって映像だね。美しい。
綺麗。
精細。
クリア。
最初の猿のとこは、(あ、スタジオで着ぐるみで、背景は絵だな)とかわかるのも楽しい。
獏っぽい生き物が可愛い。
獏と猿だけの荒野ってあったんかしら。
宇宙ステーションの場面では、さすがに無重力移動は映せず、ペンが浮かぶくらいだった。
iPadみたいなのも出てきてた。
HALが暴走というか意志を持つってのが、猿が同族を道具で殺すってのに対応してるんだろうか。
そんなことより、音声認識で、全部HAL任せって凄い。
コンピュータを信頼しすぎじゃないだろうか。
会話っていうか、話しかけてきたり、「ん〜とね」みたいなことを言うコンピュータなんだから、今でも考えられない。
考えられへんってとこがSFらしくていい。
やっぱり未来はセワシくんみたいに銀色の全身タイツを着て、錠剤かペーストで栄養だけとるような食事をしててほしい。
恋愛とかも無し。
「惚れた腫れただなんて前世紀の遺物だよまったく」とか言われたい。
ちなみに、レーニン時代のSFでの宇宙コロニーの描き方と、スターリン時代のそれとでは真逆な扱いなんだそうな。
ドラえもんでの未来の描き方も、アポロとか万博とかの影響うけてそう。
現代では漫画でどんな未来があったっけなあ。
エヴァンゲリオンではそんなに変わってない。
バックトゥーザフューチャーのはけっこうドラえもん的。
未来を描くこと自体に云々があるのかもしれないけども。
斎藤寅次郎の戦前に撮られた映画(シャシン)で、たしか『子宝騒動』のラストで、ものすごい大家族になってみんなが日本国旗を振りながら歩いて行くというシーンがあるんだけど、撮られた当時から登場人物の老け方を考えると明らかに戦後なのに国旗振ってて、そんな1945年に戦争が終わって日本が変えられるなんて思ってなかったろうなとしみじみした。
そうです。
『2001年宇宙の旅』についてはそんなに感想がありません。
あ、最後の一つの部屋で年取るとこ、荒木飛呂彦の『死刑執行中脱獄進行中』の元ネタかなと思いました。