そんな日
アル中怖いなあと思ってたら、本屋でアル中の本を見つけました。
コミックエッセイで、漫画家がアル中になるところから、アル中を脱するところまで。
絵が下手でびっくりしたんですが、そのわりに読めちゃいました。
主人公はアゴが強調されてましたが、著者は美人で結婚もしてて、なんかなあでした。
飛行機から声が聞こえてくるんですと。アル中になると。
飛行機は実はUFOの擬態したものだ、みたいな説が頭で暴走してネットでググりながら酒が進むという人でした。
幻聴とかヤベエッショ、いやーこわい、とか思ってたらよ、
信号待ちしてるときに(進めよ、進めよ)とか声が聞こえてくるわけ。
私の嫌いな声で。
若い男の、高めで、少しかすれた声で、「止まるなよ、進め進め、行けよほら」とかずーっと言ってて、
幻聴だったら頭の中で聞こえてくるはずなのに何故か右後ろからで、
というのも明らかに信号待ちの人に少し離れたところから言ってるアンチャンで、
「振り返れよおい、こっち見ろよ」とか言ってたら別なアンチャンに絡まれて静かになっちゃってました。
ここまでは疲れてないなと安心しました。
信号待ちする前に一つ、絶望することがあったんで(あーあ死のう)って思いながら歩いてたのが見抜かれたんでしょうか。
でも嫌いな声で言われると死にたくなくなりますね。
むしろ腹立つ。
好きな人の声で言われたらふら〜っと、なるんだろうか。もういいかなって。
幻聴ってどんな声で聞こえてくるのが多いんですかね。
自分の声でしょうか。また別のでしょうか。
幻聴にも喋り方の癖とかあるんでしょうか。サ行が下手くそとか。江戸っ子だとか。
「幻聴の声の真似しまーす」みたいな人っているんでしょうか。
アル中怖いとか思いつつもさすがにまだ酔ってる時間のが短いし、ビビリなんでそんなになるまで飲めないです。
面白かったのが、
『自殺』だかグリーフケアの本だかでも出てきてた、
あのファイトクラブの主人公が行くやつに、アル中の人も行ってました。
ほんとにあるんですね。
そしてすごく効果があるみたいですよ。
孤独じゃないというのは効くんですね。
私も孤独じゃないと何かしらの方法で知ることができたら、まだマシになりますかね。
死にたくなったらまず人に言えって『自殺』に書いてあったんですけど、
「死にたい」って友達に言ったとして
「え、まだそんなこと言ってんの、ホント変わってないね」なんて言われた日にゃあ恥ずかしくて忘れたくなるね。
思われてんだろうなって感づいてますけどね。
そんなこと言ってくれそうな友達がいて、いまは編集者として働いてて、有名人の対談の準備をしてるってちょろっと聞いて、面白そうなので出てくる本をちょこっと立ち読みして、
うわーわけわかんねと感想送ったら
「忙しいなかありがとう!頭が整理されたよ!」みたいな感じで長文の理路整然とした説明が送られてきて、
誇らしいやら情けないやら。
『ワンダー・ボーイズ』って映画見たんですよ。
ディランがかっこよくて、多少有名だから借りてみました。
ぼやーっとしてた映画ですね。
ところどころおかしいんだけど、演技はシリアスだしムードは暗めだし、
冗談にしか見えないけども雰囲気は本気だけどこれを大真面目にやってるわけないけど明らかにふざけてるけど…という難しいラインでした。
サスペンスのトーンでやってることはコメディというかね。
だからなのか笑えませんでした。
ストーリーは、犬殺しちゃうとこがハイライトでした。
犬を殺しちゃう事件あり、その少年に振り回されたり、浮気相手との関係をどうにかしなくちゃいけなくなったりするわりに、
それらがねばっこく遠めに絡んでて半端な感じがしました。
登場人物たちは皆悩みを抱えていて、でも「ワンダー・ボーイズ(神童)」(=昔当てたことがある人たち)で、
うまくいかないという現状の中の話。
マイケルダグラスは主人公のそんな状況を「その場の成り行きまかせで生きてきたツケが回ってきたんだ」と言ってて、
その言葉が心に刺さりました。
成り行きで生きてきたツケで今こんなになっちゃってる私ですよ。
計画的に生きてたらフラレないで済んだんじゃねえのとか思い始めるとまた酒持って来いですよ。
いっつもラジオを聞いてます。
ラジオを聴くためと、古本屋のワゴンセールをあさるために生まれてきたんじゃないかと思う休日を過ごしてます。
だいたいJUNKばかり聞いてますが、それ以外だと「安住紳一郎の日曜天国」を聞いてます。
日曜朝にやってる深夜放送です。
孤独や卑屈に甘く囁きかける安住アナの自虐によって束の間の居場所が得られる気がします。
別に土日休みだったときに孤独じゃなかったかって言うと嘘なんだけどさ!
店員さんに間違われた時の対応に慣れててそれは「自分が傷つかないために編み出した」と言ってて、
「傷つかない」ってことを軸にしても良いんだ!と眼からウロコ鼻からドジョコでした。
安住アナではなく安住アニキと呼ぶべきではないだろうかと検討中です。
その後にきいたエレ片の、ヒライデさんの詩も卓抜でした。
「煌めく日々の背に潜む挫折」だっけか。
それそれ、それが言いたかったのよ。
ちょっと救われた気持ち。
そんな日の寫眞。