よくあること。

菊池亜希子さんご出演の『ハルナガニ』のパンフレットに、題の意味が書いてあった。

「春永に」と書いて、別れの挨拶なんですと。

能で使われるという。

更に、三島由紀夫が手紙の結びに好んで使っていたと書いてあった。

辞書的な意味は

1、春の、日が長く感じられることを指す。具体的な季節を指す言葉

そこから転じて、「春永に」という形になると

2,いずれゆっくりしたとき、また、日を改めて

って意味なんですと。

 

ほほー、三島由紀夫が使ってるとは知らなかった。

文庫で出てる書簡集では見たことなかったけども、全集のだったら出てくるだろうなと結びのとこだけ見てたら、一例だけ見つかりました。

新潮社版全集のp.909、三谷信宛のもの。

昭和20年2月6日、「いずれ春永まで」という表現で用いられていました

ちなみに三島由紀夫20歳で、宛先の三谷は三島の同級生。

 

探し方も悪かったのかもしれないけども、さすがにこれで好んで用いたとは、言い過ぎでっしゃろと思いつつも、『レター教室』でそんな言及があったのかしらとググッてみたら、『行動学入門』の中でそんなことを書いてるんだそうです。

しかし、実際に使うことは少なかったと思われる。

よくあること。

言ってることとやってることが同じなわけない。