先生と話すのは楽しい。

小津安二郎の映画で笠智衆のとこに来た中村伸郎が「いやね、近くまで来たもんだから」みたいなことを『秋刀魚の味』でたしか言ってたと思うんだけど、あれがやってみたくて、大学の近くまで行く用事があったので、大学に寄って、恩師が通らないかなーと思って座ってたら見事に恩師が通ったので、一緒にお茶してきました。

本読みの先生で、小川洋子とバッハが好き。最近のおすすめは『オリーブ・キタリッジの生活』とかいうタイトルの本。良いと聞いたのはだいぶ前なんだけど、まだアマゾンのカートに入りっぱなし。

映画やら小説やら、大学教授の話やらおしゃべりしてきました。

振り返ると、自分の話し方が気安すぎる気もする。恩師と思ってるわりに、かなり気安いぞ自分。仲の良い先輩感覚で話してないか。

先生相手であれじゃ、面接のマナーもクソもないわな。反省。

しかし、先生もそんな話しぶりを悪く思ってないフシもナキニシモアラズとは言えなくもないと思うこともできなくないだろうか。

反省すべき点ではあるが、いずれにせよ楽しかった。

禿げてる作家の話になって三島由紀夫の話題になり(なんでだったっけ)、三島への悪口で「三島が鍛えてたのは身体の前だけだった」というのを教えてもらった。これは今まで聞いてきた中でも悪口の傑作だと思う。三島がどんな人物だったか、どんな人物だと思われる人だったかを示している。あまりに具体的で簡潔で、これはもう詩だ。

先生と話すのは楽しい。んー、楽しいとか思っちゃうから敬語とか出てこないんだな。勿論、丁寧には喋ってるけども。

社会人的に適切な距離が取れてないのだなあ。

 

帰りは一尾200円の桜鯛を買って帰って、塩焼きにして食べました。うまかった。

鯛のアンチョビとか美味しく作れるのかしら。