煮付けにしてこよう。
『異人たちとの夏』という映画を昔見て、なんでこれが有名なんだろうと不思議だった。
話の筋は、主人公の男が死んだはずの両親と交流して、実は死んでた女と交際して、気づいたら身体がボロボロになってて死にそうになってたって話。
ただのおばけ話じゃねえかと思ったんだけども、
河合隼雄の解説を読むと、何が評価された点か分かった。
主人公の男は離婚しそうだか離婚直後だかで、現実の生きてる人間との関係が希薄で、
一方、死んだ人間とは生き生きと関係を築いている。
本来ならば生きている人間との関係を大事にして、生きている人間と楽しく過ごすべきなのに、生きている人間とはうまく付き合えていない、という現代社会を生きる人間に対する警鐘みたいな意味もあったんございましょうね。
その、〜べきなのに、みたいな点が全くわからんかったもんで、お化けの話だと思って見てしまったんですね。
別に生きてる人間と付き合いたくないなら死んでる人相手でもいいじゃんか。
死んだ人はダメなら本とかもダメかよってひねくれたくなる。
そういうことじゃないんだろうけども。
文句つけてるけども、たまに(あの映画はなんだったんだろう)だったり、何かの拍子に思い出すことが多い映画ではある。
主題抜きに、映画体験としては濃かった。
オチみたいなことを書いてしまった。
書いた物を読み直してないので、あるいは読み直してても記憶にないのだけど、
平野紗季子の『生まれた時からアルデンテ』がやっと入荷したって電話来たってこれ昨日書いたきがするけどまあいいや。
なぜか「ごはん百点ノート」という付録がついてきた。
勿論「by 平野紗季子」。
食べ歩きしてきた店(主に)についての一言が100載ってる。
(主に)というのは、看板とか、家で食べたのとかも入ってるから。
まだ本は殆ど読んでないのだけど、このノートにあるとこはけっこう行きたくなってる。
食についての本をたくさん読まれてるだけあって文章がうまいなあ。
ちなみに一緒に買った『& Premium』って雑誌にも平野さん出てた。
そのページの向かいには菊池亜希子の新連載があった(これが目当て)。
何もしないまま日曜日が終わっていくことに焦りを感じた。
仕事が始まってしまうことよりは、覚えてもいない仕事だから、休みの間にそれが薄まったり離れたりするようで不安に思った。
冷静になって考えれば、私などいなくても成り立ってた仕事なので、私がいなくなっても支障はないだろうから、そこまで不安に感じることもないのかもしれないけども。
いなくたって代わりはいるからなあ。
できなかったりうまくいかなかったり遅かったりして、殆ど迷惑でしか無いようなのがいやなんだなあ。
本人たちからそんなことはひっとことも言われないんだけど、私の中の社長と上司が叱責してくる。
バリゾーゴン。シッタ。ボーゲン。
やめちゃえとか、お前が来てから帰れなくなったとか、お前のせいで休日返上とか、全く言われませんけど、内側から聞こえてくるよね。
康一くんのエコーズ並。
まあ、私がいなかったところだったんだから、そして役に立ってるわけでもないんだから、格別邪魔してるわけでもないんだから、休みの日に仕事するようになってたとしても、それは私が入る前からなので、そんな叱責を想像する必要はなさそうなんだけど。
偶然大家さんに会って、立ち話で愚痴ってしまった。
「休みの日は仕事のこと忘れな」と言われた。
だからみんなBBQしてんのか。
と思うと、『地獄の黙示録』のプレイメイトのところを思い出した。
戦場の兵士たちを慰問するために送られてきたプレイメイトたち、それを見て大興奮してステージに溢れてしまう兵士たち。
ステージは中止。
故郷から遠く離れた死地での束の間の享楽、としてのBBQなのか!?と思ったけれども、
BBQの人たちは遠くから見るぶんにはとても楽しそう。
我が世の春かってくらい。
眩しすぎてヘキエキ。
大学院の同級生たちも皆、BBQしてるのかと思うとぞっとする。
そしてたぶん一生BBQしないのではないかと思うとまたぞっとする。
ラブホテル、風俗、麻薬、BBQ、あと経験しないで死ぬ快楽系のはなんだろか。
アナニーとかかな。
職場近くのスーパーにあった生のホッケを買ってきたんですよ。
珍しくて。
安住アナが2008年にラジオでほっけの刺身がめちゃくちゃうまいって言ってて、それで買ってみた。
アニサキスが怖いので生では食わず、塩焼き。
足が早いといわれるだけあって、翌日朝には少し臭った気がしたけども、近所の「安かろう悪かろうスーパー」で慣れてたので格別気に留めなかった。
味は、あたりまえだけど、ほっけの干物と変わるものではないよね。
水分量が多いだけあって、柔らかかった。それも悪く言うなら「水っぽい」ということになるのかもしれないけども。
見つけたら必ず買って食べたほうが良いっては思わない。
生だとこうなのねって感じで、干物で十分というか、干物の方がいいとすら思います。
魚を食べるのは趣味だから買ったのであって、ホッケは干物でいいと思います。
不思議だったのは鱗。
鮎かニジマスみたいな、ざらざらした鱗だった。
そうだ、鯛のアラと卵を買ってきたんだった。
煮付けにしてこよう。
してきた。
エレ片のポッドキャストを聞きながら煮付けてたんだけど、そこで、自分の顔をどう思ってるかについての話題があった。
自分の顔については、いいと思ったり悪いと思ったりするのが普通だろうと言ってた。
美人は三日で飽きるとかブスは三日で慣れるとかいうけど、けっっこう長い間私は自分の顔だけど、慣れない。
だから三日で慣れないってことじゃなくて、
たまに(あれ?こんな顔だったっけ?)って思う時がある。
全体としては同じだけど、んー、こんなだったっけなあって思う。
だからもしかしたら飽きたり慣れたりもしないんじゃないかしら。
大学院の同級生の働いてる人たちの、特に賑やかなグループの、ラインのグループに招待されて嬉しかった。
21時半くらいに、「今から晩ご飯…」「俺も…」とか書いてて、
そこで不幸自慢したなら勝てることに虚しくなった。
気晴らしに行った本屋で講談社文芸文庫の『東京オリンピック:文学者の見た世紀の祭典』という本を買った。
これは東京オリンピックを当時の一流の文学者(作家)が新聞とかに寄稿した文章を集めた物。
開幕から閉幕そして感想という順で載ってて、オリンピック気分が味わえそう。
解説は高橋源一郎。
この本はいい!
こんな本が読みたかった。
こういうアンソロジー好き。
色んな作家が一つのテーマで書くの好き。
似たようなのでは、海外の旅行記があった。
エジプトとか中東で一巻、スイスあたりで一巻、みたいな。
古本屋で見つけて、どこか聞いたことのない出版社だった。
村上春樹もオリンピック観戦記あったよね。
読んでない。
河合隼雄との対談も読まねば。