戦前の時代劇ブーム
『人情紙風船』と『丹下左膳 百萬両の壺』と『赤西蠣太』を見ました。
三本とも、戦前の時代劇です。
『人情紙風船』は、落語の「髪結新三」を脚色したもの。
ざっくり言うと、やくざもんがいいとこのお嬢さんを誘拐して、身代金をとる話。
落語ではそうなんだけど、そこに、隣に住む浪人が絡んでくる。
仕官したくてたった一人のつてを当たるんだけど、これがまあけんもほろろ。
その終わり方は酷くないかと思った。
「髪結新三」と『人情紙風船』を分けるのはこの浪人で、
よく主人公になる人がいるんだけど、だいたい無職役。
イタリアのネオレアリズモがどうのこうのと読んだことがあったような気がするので、
浪人を出すというのもそこに関係してるのかもね。
現代劇でリメイクできると思うけども、
トーキーなんだし、リメイクしないでみんなこれを見ればいいと思う。
『丹下左膳』はとても良かった。
声がとっても素敵。
シビれる。
動きもキビキビしてて良い。
喜劇で、ヒーローがかっこよくて、オチがたまらんかった。
『天才バカボン』によく出てくるんだけど、納得した。
これはかっこいい。
大友柳太朗が見たくて見てたのだけど、あとから大河内傳次郎と知りました。
こんなにかっこいいとなると、大友柳太朗のはしばらく見られない。
この映画と『無法松の一生』だけ聞いたことがあって、見たかった。
でも、なんかいまいちでした。
なんでメインが恋文のとこらしいんだけど、それが出てくるのは遅いし、
急に立ち回りが始まるし、
なんだか間違った版を見ているのではないかという気になりました。
なぜ有名なのかさっぱりわからなかった。