ハマちゃんだからしかたないか。

映画見ました。

『僕達急行 A列車で行こう

森田芳光監督の遺作。

 

東京の大手企業で働くコマチ(マツケン)が九州に転勤になると、

九州に遊びにきた小玉(瑛太)と共に、

ソニックフーズの社長(ピエール瀧)と知り合い、

そのコネで仕事がうまく運ぶ、というあらすじ。

趣味は身を助ける、

仕事がうまくいくって良い、

もてねえなあ。という三本だて。

平たく言うと、鉄オタ版の釣りバカ日誌です。

 

森田芳光の作品はあまり見てないのですが、

この人は棒読みというと言い過ぎだけど、

朴訥とか大根っぽいのが好きなのかしら。

それほど気になったわけでもないけども。

マツケンが可愛がられすぎておかしかった。

ハマちゃんだからしかたないか。

キャバレーの後、愛人契約してて、そこの会社で働いてるという設定がほろっと出てくるのも良い。

 

私は鉄オタではないので、キャラクターにはあまり違和感なく見られましたが、

プロ(っていうのか)の人はどうなんですかね。

最終的にモテないってしないと、寅さんが終わらないように、こっちも終われないわけだけど、

あれだけ感じ良くて仕事できたら、そら、ナオンがほっときませんわな。

見た目が二枚目だし。

 

瑛太が「僕達もてないのかなー」って最後に言うんだけど、

待てと。

最終的にお見合いで断られて、

しかも九州にいることを向こうが聞きつけて電話して会って、

そのうえ、仕事上で便宜をはかってもらってって、

それだけやってもらってたらモテないには、もうカウントされんでしょう。

モテナイはもっともっと前の段階で発生するものだから、

仮にシリーズ化されてモテナイ場合はもう極端な不運でしかないです。

本当にモテナイなら、進んだとしても初回のデートの1時間くらいでアウトですよ。

渥美清西田敏行とはちゃうねんぞ、ハナコフォーメンだぞ。

落ち着け。

 

とはいえ、性格がいささか強烈な感じは、友人の鉄オタを彷彿とさせるものでありました。

そして、松ケンの方もイケメンだがもてない友人に似てておかしかった。

 

マルゼンで出会うみどりさんのお母様が非常に感じが良くてグッドでした。

 

正直、つまらないわけではないが、

格別おもしろいってこともなく、

損はしないけどもっていう絶妙なラインかと思います。

あんまり面白いと何度も繰り返して見られないので、

何度も繰り返して見られるような映画かと。

何度もみたくなるようなものかどうかは別として、

何度も見られそう。

 

瑛太が失恋してセンチメンタルジャーニーをするという事がぐっときました。

傷心旅行なんて!

してみたいわ!

いや、ふられたくはないんだが、青春ぽいじゃん!本人は望んでないでしょうが!

仕事をしていれば、恋人を作る権利もあるし、見合いする権利もあるんだよなあとしみじみしてしまいました。

社長になってスイッチバックの話をしたいとまでは言いませんが、

というかスイッチバックくらいは常識だろ、

失恋の傷とかもう、勲章に見えたぜ森田監督よお。

定職があれば、恋愛の権利があるんだよなあ、うう。

仕事かあ。