観光貧乏性

観光案内は難しかったです。

 

田舎から両親が観光にやってきたのですが、

何も予定を立てず調べずに来てて、

案内に難儀しました。

行きたいところと食べたいものが無いとき、

観光ってどうしたらいいんでしょうか。

 

行きたいところとか無いのと聞くと、

両親揃って「別に」。

困り果てた挙句、行きたいってことは無いだろうなと思いつつも、

警察博物館

貨幣博物館

印刷博物館

消防博物館

・鼠小僧次郎吉の墓

渋江抽斎の墓

谷崎潤一郎の生誕の地

丸谷才一の墓

永井荷風の墓

小林多喜二が殺された築地警察署

を提案しましたが、見事に却下となりました。

そりゃそうだろうなあ。

しかし、

1:混まない

2:座れる

という最重要項目を満たしているという点では魅力的じゃなかろうかと思いますが、

行くだけの魅力があるようには(少なくとも提案した時点では)見做されなかったわけであります。

正直に言って、確かに、いくらすることないからって観光でわざわざ行くような場所ではないと、提案者ながらに思います。

とは言え、東京にしかないという希少性はありますし、なんなら価値だってあるでしょう。

いくら言っても行かなかった事実は覆りませんが。

 

じゃあ、東京ではどう遊ぶんですかね。

日本一の遊び下手なので、こういう案内には不向きだと辨えて、

さてどうしたもんかと考えます。

 

デートっぽいのは安易に調べられるのですが、

年寄りを連れてという条件の行先はどんな調べ方があるのかしら。

やっぱDanchuとか読んでおくのがいいのかしら。

でもそーゆーのに載ってると今度は混むんだろうなあ。

痛し痒しだ。

 

年寄りが集まるといえば、病院ですかね。

用もなしに病院に連れてくわけにもいかないし。

寄席に連れてって、満足気だったので良かったんですが、

それ意外にも候補は考えておきたいところです。

 

神社仏閣や墓なんて、年寄りっぽいと思うんですが、

興味の無い墓には行きませんわな。

 

一番困ったのが、夕食時の店の入れなさでした。

友人と遊ぶときには大体が二人なので、それくらいならなんとか入れるか、

あるいはそもそも外食に行ってないので、

あんなに門前払いが続くことが大変新鮮でした。

観光に来ると決まった時点で打ち合わせをしてなにを食べたいか聞き、

予算と相談して店を予約しておくとスムーズなんですね。

さすがに宿は取っていたけれど、夕飯までとは思わなんだ。

主よ、東京の人の多さよ。

 

こじゃれてるなあって店がいくつかあったので、いつか行きたいと思いますが、

行く予定がない。

いつか誰かと行く日のための下調べをするわけにもなあ。

と思いつつ、準備をしているから降って湧いたチャンスをモノにできるんですよね。

そのチャンスが来なくても、美味しいことに変わりはないわ!

 

田舎育ちだからか貧しかったからか、料理は食べに行くんじゃなくて家で如何に作るかという意識が高く、

その意識改革をしないと、予約していくってまでには至りませんね。

 

と、抽象的な反省はできるけれど、

反省の具体化としての観光先はまだ思いついてません。

こういうのは思いつくのを待たずに調べるべきだ。

 

調べました。

浅草、六本木ヒルズなんかが定番みたいですね。

あと銀座でランチとかね。

いやあ、ウマそうでした。

予習として行ってみたいですが、外食慣れしてなくて緊張してしまいそう。

行ってみたいがなあ。

 

観光先としては有名ドコロが良いようですが、

何度も観光しにきてる人向けのものって無いので、

というか何度も観光に来るくらいなら好きなんだろうから知ってるだろうなという事も考えられます。

やっぱりヒアリングをしておくことが重要だったのではないかしら。

何か東京を扱ったドラマとかに因んだ店なんかがあればいいんですが、

聞いてみたところ、今はそれほど惹かれる番組はないそうです。

 

この「案内しなくちゃ!」と焦るのは、

沈黙がこわくて、誰かといるときに喋らなくちゃいけないと強迫観念に襲われる人がいるようですが、

その観光版なのかもしれません。

あるいは観光貧乏性。

ベルが鳴るからって電話を取らなくちゃいけないわけではないように、

他所の土地に行ったからって慌てて観光しないといけないわけではない。

優雅に、ホテルにこもって読書三昧でも、何しようと勝手。

と両親は開き直ってたのかもしれません。

 

友達となら焦りはしないということは、

旅費に対する貧乏性なのか、

それとも、楽しんでもらいたいという気持ちが裏目に出ているのか。

こんなに具体的な話なのに、どうしてこんなに解決策が思いつかないのか。

参ったなあ。