頻繁に事故

なんと!読者が犯人!

という惹句のミステリを見つけて、気になってたけど買わなかった。

 

たぶんあっと驚かないだろうな、奇を衒ってはいるが、これだけ書かれるくらいだからなるほど努力とトンチは大したもんだが、

蕁麻疹が出て脇汗たらたらにさせるほどの眼からウロコ鼻からドジョコなトリックではないだろうと踏んでました。

しかしながら、気にはなってました。

興味に負け、しかし財布には勝ち、ググりましたところ、

ちゃんとネタバレが書いてありました。

ありがてえ。

 

題も書かないので(忘れた)トリックは書きませんが、

今ふと、似た実際の事件を思い出しました。

祖父母から聞いた話で、事件というよりは噺という扱いで話題にされてました。

自販機の取り出し口に、取り忘れと思しきビンの飲み物があって、

蓋が一度開けられてたのを気づいてか知らいでか、

ラッキーと飲んでみるとなんと農薬入り!

処置が早かったのか毒が薄かったのか無事に一命はとりとめ、事件として報道されました。

昔のニュースだからか、その付近の人のせいか、

助かった人のところに電話や投書がじゃんじゃんきたそうです。

「お前は卑しい根性だからそんな目に遭うんだ」

「自業自得」

「死んでもよかったのに」等々、渡る世間は鬼ばかりとはよく言ったもので、地獄の蓋を開けたような皮肉に呪言に罵詈雑言。

助かったのにその人は自殺してしまったそうです。

教訓:拾い食いはするな。

 

これも「読者に殺された」じゃないか!と思いつきました。

『知と愛』を読んでる途中にふと思い出しました。

ヒラメキってこういう形で降ってくるんでしょうか。

ヒラメキでもなんでもないのが玉に瑕、時々ケガ。