店員さんの話

喋られて嬉しかった話。

 

喋りたがる人と聞くほうが楽な人って分けられると思いまして、

人と喋ってるときには(笑わせなきゃ)と気負ってしまうので、

そのせいで聞いてるほうが楽だなとなっちゃうことがござんす。

だもんで、こう何か言いたい時にはノートにペンで書いて気を紛らしますが、

そうではなくて特定の人にだけ、あの人にだけ言いたい!というようなときもあって、

そういうときは悶々と苦しみますが、

言いたい!という対象になったときって嬉しいもんですよね。

 

現像とプリントした写真を受け取りに行ったんですよ。

もう3年くらい行ってるカメラ屋です。

最近ミスが多くて、しかもミスのフォローがなくてちょっとやめようかなと思ってるんですけど、

習性と他の店がないので。

店員さんが気さくで、さすが接客業と感心しますけど、きさくさに緊張もします。

一度、お客様の名前は画数が多くて書きにくいですよねと言われて、気さくじゃなくてバカかと呆れたこともありました。

ちゃんといい気さくさの人もいます。

たぶん新入りの人で一人だけカメラを下げてる人がいて、いつ行ってもカメラを下げてたんですね。

カメラ屋とは言えスタジオではないので写真を撮ることのない場所で、接客やら会計やら、奥では現像とかプリントとかをしてるんでしょうが、

なぜかカメラを下げてて、なんでだろうと思ってて、

ある日その人がカメラを下げてなくて、

あれ?カメラどうしたんですか?と聞いたら、

(気持ち悪い)と言われるかなーと思いつつ、

あれ、重いんですよね。今とても楽ですと明るく言われて、

その明快さに心打たれました。

それから、行く度にいたりいなかったり、

カメラを下げてたり下げてなかったりしてたんですが、

また聞いてみたら、

重いですからねーと咳払いを一つして、

「あの、ご報告があります」と言われたので、

(結婚か、おめでたいなあ。しかし続くなあ、羨ましいなあ)と構えてると、

別なカメラを買ったこと、それが軽いこと、カメラは下げていたいこと、重いカメラだと肩が凝ること、自分が肩凝りであること、さらにもう一台買ったカメラがあること、などなどわーっと喋られて、

その喋りかたが嬉しそうで、

あっとレジに並ぶ人に気づいて途中で止めたけどもまだ喋りたそうに見えて、

教師が元生徒に何かを報告されるってこんな感じなのかなと思ってしまいました。

 

店員さんと話すということが久しぶりなので楽しゅうございました。

スタバの店員って気さくな感じしますよね。

そういう教育なんでしょうが。

あんまり気さくで、その気さくさがチャラチャラした大学生に見えなくもなくて、

好印象と憧れからくる蔑みとの難しいバランスをとっていると、スタバに行く度に思います。

ある年末にスタバによく行ってたことがあって、

あの人の多さと暖房の効きすぎと題目のように繰り返されるBB5のクリスマスソングが懐かしくなります。

だからって行きたくさせないのがスタバの憎いところ。